約2年半に及ぶ「俺」として生きてきた自宅シェルター生活。
社会保険労務士の試験勉強を始めた時には、こんなに早く
今までの自分から抜け出す機会がやって来るとは思っていなかった。
勉強をはじめたのは、引きこもりを続ける理由のひとつくらいにしか
考えていなかったのだから。
だが、本当の「私」の中に蓄積された知識やそれを得た自信は、
知らぬ間に少しずつ自分自信を内側から変えていったのだ。
本番前夜は今までやってきた教材をずらりと机の上に並べて
しばらくその教材の山を眺めていた。
約1年もの間、ここで勉強し続けた日々を回想した。
寝る前には明日持って行く荷物を用意しよう。バッグの中身は
着ていく服はゆったりとしたデニムパンツと半袖のシャツとスニーカー。
明日は早めに起きて熱いシャワーを浴びて行こう。
試験当日は予定通り出発の2時間前に目が覚めた。
いつも通りに朝食を摂って、家を出た。
会場に着いたらまずはトイレに行く。
1科目目の「選択式試験」の集合時間は午前10時
約80分の試験の後、休憩を挟んで2科目目の「択一式試験」は
12時50分集合。この「択一式試験」は3時間30分の長丁場。
合格発表は11月の上旬だ。
もう不安はない。
今までずっと、自分にいつも低い評価しか下せない
ダメな自分を抱えてきた。でも、もういいんだ。
もしこの試験に合格できなかったとしても、また次がある。
今まで積み重ねてきた知識は誰の物でもなく、「私」自信のものなんだから。