合格証は外の世界へのパスポート

合格を知ったのは、社会保険労務士試験センターのホームページだった。
自分の合格を知ったとき、私の世界につきまとっていた霧がパーーーっと
晴れたような気がした。
外の世界が両手を拡げて私を迎えてくれている、そんな気さえした。

試験本番を受けた8月以来、私は自室に籠もることはなくなった。
毎日家族と一緒に食事をし、少しずつ会話も増えてきた。
仕事はまだ失ったままだったけど、資格試験の結果を見てから
これからのことを考えようと思っていた。
もし落ちていたら、簡単なアルバイトをしながら次の機会に向けて
勉強を続けるつもりだった。
もし合格していたら、合格証を手に就活を始めるつもりでいた。
社会保険労務士は会社に勤務して人事部や総務部で働く人が多い
そうだ。かろうじてまだ20代の私には、手にした合格証が
新しい人生のパスポートのように思えた。
私は難関国家資格の有資格者になったのだ。
合格を知った日、私は2年半ぶりに美容院へ行き、
その足でデパートへ行った。
引きこもっていた日々にほとんど使うことがなかった貯金をおろし、
新しいスーツとパンプスを買った。

もう私は誰かに命を狙われている「俺」じゃない。
私は未来に向かって夢を描き出せる新しい自分に生まれ変わったのだ。

まずは手始めの仕事は…、未納になっていたこの数年間の自分の年金の
継続手続きをすることだった。
社会保険労務士会にも所属しなくては。
そこでまた未知の展開があるかもしれない。

偶然にたまたま知ったフォーサイトの通信講座
私にとっては引きこもりの日々から救い上げてくれた
唯一無二の救いの神さまのようなものだ。
そう考えると「俺」として引きこもっていた日々は無駄ではなかった
のかもしれない。

これからの人生がどう変わっていくのか?
今は大きな期待で胸がいっぱいの毎日だ。